奈良県が生んだ日本近代陶芸の巨匠・富本憲吉(1886―1963)。郷土を代表する芸術家として、奈良県立美術館では開館以来継続してその創作活動を取り上げてきました。没して半世紀以上過ぎてなお、その作品は高く評価されています。では富本はなぜ「日本近代陶芸の巨匠」と呼ばれるのでしょうか。そして富本の美の感性はいかにして育まれたのでしょうか。それを理解するための、富本芸術の入門編として本展を開催します。

富本は楽焼制作に始まり、土焼・白磁・染付と多様な創作活動を展開し、色絵磁器へと作域を広げていきました。その陶業は、独自の模様の探求、造形を通した美の表現、量産の試みといった課題に取り組んだ道のりでもありました。  このたびの展覧会では、初公開となる新収蔵品ほか寄託品も加えた展示を通して、富本の生涯と彼が生きた時代、その作品の特徴や独自性を知るとともに、奈良の歴史・文化を知る機会を提供できれば幸いです。

奈良県立美術館 企画展
「富本憲吉入門 - 彼はなぜ日本近代陶芸の巨匠なのか -」より

本展にあわせ、奈良県立美術館1Fギャラリーにて連携展示
『憲吉が訪れたぬくもりのある焼き物-受け継がれていく匠の技と心-』(2019年6月29日~9月1日)
が開催されております。

志ま亀は旧知の仲であった富本憲吉氏に縁のある商品をこちらの連携展示へと寄託いたしております。

陶芸家である富本憲吉氏が「着物」というまったく異なる分野へ意匠の提供をしていることから、氏の作品一群の中でもとりわけ異彩を放つ展示物となりますが、こちらには志ま亀と富本憲吉氏の関係性がよくよく顕れております。

富本憲吉氏デザインの志ま亀包装紙

人間国宝に認定されるに至った富本憲吉氏ですが、その作品が世に広く評価される前から志ま亀との交流がありました。

氏の作品性に惹かれた五代目店主武内亀之助が陶芸品を購入すると同時に喧伝、また意匠の発注を行うなどパトロンに近い交友関係を育んでおりました。

富本憲吉氏より提供される意匠は四弁花模様や丸紋などがございます。氏の作品に見られる独自性を細密に再現し染め上げた志ま亀の着物・帯は他に類を見ない「志ま亀の色(カラー)」の一つとして高く評価されております。

  • 色絵四弁花模様飾壷
  • 小紋「富本四弁花」
    塩瀬名古屋帯「富本丸紋」
  • 小紋「富本四弁花」紋様
富本憲吉氏デザイン採用
志ま亀トートバッグ

連携展示に出品しております志ま亀の品々は、すべてお買い求めいただけるものばかりです。富本憲吉氏の柄をあしらった「訪問着」「小紋」「名古屋帯」は、お好きな志ま亀カラーの地色にてご註文染めも承ります。また、館内のショップでは、新作の「数寄屋袋」なども販売しております。

本展『憲吉が訪ねたぬくもりのある焼き物』は観覧料無料となりますので、 お近くにお寄りの際は、奈良県立美術館へお越し頂ければ幸いです。


奈良県立美術館(公式ホームページ

企画展『富本憲吉入門 -彼はなぜ日本近代陶芸の巨匠なのか-』(要観覧料)
連携展示『憲吉が訪ねたぬくもりのある焼き物』(無料)

2019年6月29日(土) ~ 2019年9月1日(日) (開館時間:9時~17時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし7月15日と8月12日は開館)、7月16日、8月13日)